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米上院銀行委、暗号資産市場構造法『CLARITY Act』全文を公表——5/14マークアップ採決へ、ステーブルコイン1対1準備とSEC・CFTC管轄が焦点

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米上院銀行委員会のティム・スコット委員長は5月12日未明、暗号資産の市場構造を定める包括法案「CLARITY Act(クラリティ法)」の最新版テキスト309ページを公表した。CoinDeskによると、上院銀行委員会は5月14日午前10時30分(米東部時間)から法案のマークアップ(条文修正・採決のための審議)を行う予定で、そこで可決されれば本会議への上程に近づく。米国の暗号資産規制が一段進む可能性のある局面で、日本の個人投資家にとっても無視できない動きである。

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目次

法案の3つの柱——SEC/CFTC管轄、ステーブルコイン、利益相反

CLARITY Actの中核は三つある。一つ目は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄をデジタル資産ごとに明確に線引きする条文である。これまで暗号資産を「証券として扱うか商品として扱うか」をめぐって規制当局と業界が争ってきたが、法案は分散化の度合いと利用形態を基準にどちらの当局が監督するかを定める枠組みを示している。二つ目は、ステーブルコインの発行体に対して1対1の準備資産保有を義務付ける条文で、米ドル連動型のステーブルコインを発行する企業は同額の現金や短期米国債で裏付けを置く必要が出てくる。

三つ目が最後まで火種となっているのが「利益相反条項」である。政府高官が在任中に暗号資産事業から利益を得ることを制限する内容で、民主党のキルステン・ジリブランド議員は「この条項なしには法案を通さない」と公言している。トランプ大統領自身が関わる暗号資産プロジェクトの扱いをめぐり、共和党と民主党の間で調整が続いている。

CLARITY Actの3つの柱 図解

GENIUS Actの次の段階——米国規制パッケージは「2本立て」へ

米国の暗号資産規制は、2025年に成立したステーブルコイン単独法「GENIUS Act」と、今回のCLARITY Actの2本立てで完成形を目指している。GENIUS Actはステーブルコインの発行体ライセンスと監督枠組みを整えたが、ステーブルコイン以外のデジタル資産については管轄と取引所の登録ルールが未整理のままだった。CLARITY Actはこの空白を埋め、SECとCFTCがそれぞれ何を見るかを明文化することで、米国でのトークン発行や取引所運営の予見性を高めることを狙っている。

業界団体は法案の前進を歓迎しているが、論点はまだ残っている。たとえば、分散型金融(DeFi)のプロトコルをどう扱うかや、海外発行のトークンが米国市場で売買される場合の責任範囲などである。これらは条文上の細部だけでなく、規制当局の運用指針に委ねられる部分が大きく、可決後も解釈をめぐる議論が続く見込みである。

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下院との調整と「H.R.3633」——成立までの距離

5月14日のマークアップで上院銀行委員会の採決を通過しても、米議会の手続きはそこで終わらない。下院ではすでに同種の市場構造法案「H.R.3633」が可決されており、両院案の差分を調整するための協議が必要になる。下院では銀行委員会以外の委員会が一部の管轄を持つため、CLARITY Actの一部条文は上院単独では完結せず、農業委員会など他委員会との調整も求められる。

利益相反条項に加え、ステーブルコイン発行体の銀行業務との関係、SECとCFTCの権限の境界、消費者保護の水準など、争点は複数残っている。法案が現在の形で成立する保証はなく、トランプ政権と議会の関係次第で年内成立か来年送りかが分かれる可能性もある。

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日本の投資家にとって何を意味するか

日本に住む個人投資家にとって、米国の市場構造法は遠い話に見えるが、実際には三つの経路で身近な影響をもたらす。一つ目は、ステーブルコイン市場の信認である。USDC(サークル発行)やUSDT(テザー発行)は日本のユーザーも保有や決済に利用しているが、これらの大半はドル建てでありかつ米国の規制動向に強く影響される。1対1準備の義務化が定着すれば、ステーブルコイン全体の透明性が上がり、価格の安定にもつながりやすい。

二つ目は、米国上場の暗号資産関連株への影響である。コインベース、マラソン・デジタル、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)などは、いずれも米国規制の動向で株価が大きく動く銘柄である。日本から米国株を保有する投資家にとって、CLARITY Actの進捗は決算と並ぶ重要材料となる。

三つ目は、日本国内の規制との関係である。日本は資金決済法や金融商品取引法のもとですでに暗号資産取引業者の登録制度を運用しており、ステーブルコインについても2023年の法改正で発行枠組みを整備済みである。米国のCLARITY Actが成立すれば、両国の規制のすり合わせや、海外取引所を利用する日本のユーザーに対する開示要件などが将来的に議論される可能性がある。

5月12日のビットコイン価格はフォーチュンの集計で8万860ドル、イーサリアムは2,290ドル前後にとどまった。米4月の消費者物価指数が前年比3.8%と市場予想を上回ったことを受け、暗号資産にもFRBの利下げ後ずれ観測が重しとなっている。CLARITY Actの審議が前進すれば、規制リスクが下がる材料として相場の支えになる可能性があるが、利益相反条項をめぐる対立が表面化すれば短期的な不透明感は続く。

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個人投資家が意識すべき3つのポイント

一つ目は、5月14日のマークアップで「採決まで進むか、修正案提出で先送りになるか」を確認することである。可決ならCLARITY Actは法案として本会議への階段を一段上がる。先送りなら6月以降の議事日程に持ち越され、市場は規制の停滞リスクを織り込みに行く可能性がある。

二つ目は、ステーブルコイン規制の細部に注目することである。1対1準備の義務化は短期的にはステーブルコイン発行体の業務コストを引き上げるが、中長期では市場の信頼性を高める。USDCやUSDTを実際に保有・利用する投資家は、発行体の四半期開示資料を読み慣れておくと安心材料が増える。

三つ目は、米国規制の進展だけを判断材料にしないことである。日本の金融庁、欧州のMiCA(暗号資産市場規制)、香港やシンガポールの認可制度など、各地の規制が並走しており、暗号資産の国際的な流動性に影響する。米国の動向はその中で最も影響力が大きいが、唯一の指標ではない。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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