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ウェスタンユニオンが5月にステーブルコイン「USDPT」始動 — 174年の送金大手がSWIFTを介さない決済レール構築へ

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米国の老舗送金大手ウェスタンユニオンが、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上で動く米ドル建てステーブルコイン「USDPT」を2026年5月にローンチする見通しとなった。crypto.newsが4月27日に報じたところでは、USDPTは消費者が直接保有するトークンではなく、ウェスタンユニオンと現地代理店の間の「決済レール」として使われる。174年の歴史を持つ送金大手が、SWIFT(国際銀行間通信協会)を介さない国際送金の構築に動き始めた格好だ。

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目次

USDPTの基本仕様 — Solana基盤、Anchorage Digital Bankが発行

USDPTは米ドルに価値を連動させたステーブルコインで、ソラナ・ブロックチェーン上で発行される。発行体は米国で連邦認可を受けたAnchorage Digital Bankが務める。ウェスタンユニオンが昨年10月に発表したプロジェクトで、ローンチ時期は2026年5月、対象は「特定の国と中核的な決済回廊」に限定して始めるとされている。

同社のデビン・マグラナハンCEOは「ウェスタンユニオンがデジタル資産分野で活動するかどうかは、もはや議論の対象ではない。問題はどれだけ早くスケールさせるかだ」と述べた。送金業界の老舗が、暗号資産インフラへ本格的に踏み込む姿勢を明確にした発言である。

📌 キーポイント:ステーブルコインとは
価格が米ドルなど法定通貨に1対1で連動するように設計された暗号資産。発行体は同額の現金や短期国債などを準備資産として保有し、ユーザーはいつでも1ドルとの交換を期待できる。価格変動の大きいビットコインと違い、決済や送金に向く。代表例はテザー(USDT)と米サークルが発行するUSDC。

なぜ「消費者向け」ではなく「機関決済」から始めるのか

注目すべきは、USDPTの初期用途が一般消費者向けの送金ではなく、ウェスタンユニオン本体と各国の代理店の間の決済に絞られている点だ。これは現状のクロスボーダー送金が抱える非効率を、まずバックエンドから解消する狙いと考えられる。

従来、ウェスタンユニオンが日本から米国へ送金する場合、両国の代理店間の資金清算はSWIFT経由の銀行送金で行うのが一般的だった。SWIFTのメッセージは数日かかることがあり、休日や時差で遅延が生じる。USDPTでブロックチェーン上の即時決済に切り替えれば、清算サイクルを短縮し、各代理店の資金拘束を減らせる。

ステーブルコイン業界のB2B決済市場は急拡大が見込まれる。Juniper Researchは、企業間のクロスボーダー・ステーブルコイン決済額が2035年までに5兆ドル規模に達すると試算している。ウェスタンユニオンの動きは、この成長領域を取りに行く戦略の一環だ。

ウェスタンユニオンの3層構造

Digital Asset Network・Stable Cardが続く — 段階的にユーザー側へ

ウェスタンユニオンはUSDPT単独ではなく、3層のサービスで暗号資産事業を構成する計画だ。

第1層が今回のUSDPT。代理店間の機関決済レールとして稼働する。第2層がデジタル・アセット・ネットワーク(DAN)で、ユーザーの暗号資産ウォレットとウェスタンユニオンの実店舗・代理店ネットワークを接続する。海外の暗号資産で受け取った資金を、現地通貨に両替して引き出せる仕組みだ。第3層が2026年後半に予定される「Stable Card」で、ドル建てステーブルコインを世界中で保有・利用できるカードを個人ユーザーに提供する。

つまりウェスタンユニオンは、まず舞台裏のレールを整え、その上で個人ユーザーが触れる接点を順次広げていく。リスク管理と規制対応の難しい機関決済から先行させ、消費者向けプロダクトを後回しにする順序選択は、米国でステーブルコイン規制を定めたGENIUS法施行下での慎重な事業設計と読み取れる。

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私たちの送金にどう関係するか

日本の個人がウェスタンユニオン経由で海外送金する場合、当面の見た目は変わらない。USDPTは消費者の目には触れない。ただし、代理店間の決済が高速化すれば、手数料の低下や着金時間の短縮として恩恵が降りてくる可能性がある。

もう一つの含意は、競合する送金事業者への波及だ。日本ではSBIレミットやWise(ワイズ)などが個人向けクロスボーダー送金で存在感を持つが、いずれも背後で銀行送金網に依存している。ウェスタンユニオンの成功例が出れば、競合各社もステーブルコイン決済の採用を迫られる。読者が普段使う送金サービスの裏側で、決済レールの組み替えが進む可能性がある。

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今後の注目点

5月のローンチ後、最初に確認すべきは「どの決済回廊から始まるか」だ。ウェスタンユニオンは「特定の国と中核的な決済回廊」と表現しており、対象国の選定によって日本円⇔米ドルの送金に直接影響するか否かが分かる。

次に、Anchorage Digital BankがUSDPTの準備資産をどう開示するか。テザーやUSDCは月次・四半期で監査レポートを公開している。USDPTが同等の透明性を備えるかは、信頼性の試金石になる。

第3に、Stable Cardのリリース時期と提携カードネットワーク(VisaかMastercardか)。これが決まれば、日本の個人がドル建てステーブルコインを実際に「使える」段階に入る。

個人投資家が意識すべき3つのポイント

一つ目は、ステーブルコイン市場の主戦場が「個人の暗号資産取引」から「企業間決済」へ移りつつあることだ。USDTやUSDCに加え、ペイパルのPYUSD、そして今回のUSDPTと、既存大手が独自ステーブルコインを出す流れが加速している。投資判断としては、Anchorageのような発行・カストディ事業者、ソラナのような決済処理が高速なチェーンの動向を追う価値がある。

二つ目は、ステーブルコイン規制の動向だ。米国のGENIUS法は発行体に銀行レベルの規制を課す方向で整備が進む。日本でも資金決済法の改正でステーブルコイン発行が解禁されており、関連する金融機関・フィンテック企業の収益構造が変わる可能性がある。

三つ目は、決済インフラの再編が「銀行株」と「ブロックチェーン関連株」の双方に影響することだ。SWIFTを介さない決済が広がれば、銀行のクロスボーダー送金手数料が圧迫される一方、ステーブルコイン発行体や対応するブロックチェーン基盤を持つ企業の収益機会は広がる。短期の値動きより、5年スパンの構造変化として捉えるのが妥当である。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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