ビットコイン(BTC)が2026年4月22日に7万8,000ドル台を突破した。CoinDeskによると、トランプ大統領による米イラン停戦延長の発表と、企業によるBTC大量購入が重なり、価格が7万7,500ドルから7万8,000ドル台へと急伸した。4月16日の記事で紹介した「7万5,000ドルの壁」を上抜けた形で、次の節目である7万9,200ドルを超えるかどうかが短期的な焦点になっている。
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なぜビットコインは7万8,000ドル台を超えたのか
今回の上昇を支えた要因は3つある。
第一は、トランプ大統領による米国とイランの停戦期限延長の発表だ。中東情勢の急速な悪化を回避できるとの安心感が広がり、市場全体でリスク選好ムードが強まった。「有事の安全資産」として保有されていたゴールドや米国債から資金が流出し、ビットコインを含むリスク資産へ流入した。
第二は、MichaelSaylor率いるStrategyの大規模購入だ。第三の要因は、主要取引所上のBTC残高が数年来の低水準に達していたことで、これについては次のセクションで詳しく説明する。
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Strategyが34,164BTC(約25億ドル)を一括購入——「企業財務にBTCを置く」という戦略
4月21日、StrategyはCoinDeskに対して34,164BTCを約25億ドルで購入したと発表した。平均取得単価は1BTC=約73,160ドル。これにより同社の総保有量は533,589BTCに達した。
Strategyは元々「MicroStrategy」という社名のビジネス分析ソフトウェア会社だ。MichaelSaylorが2020年8月にビットコインを企業の主要準備資産として採用し、以降一貫して買い増しを続けている。社名もBTC戦略を前面に出した「Strategy」へと改名した。同社はBTCを購入するために社債や株式を発行して資金を調達しており、実質的にビットコインへのレバレッジド・ベットを企業規模で実行している。
なぜSaylorはこれほど大規模な購入を続けるのか。彼の論理はシンプルだ。「現金は長期的にインフレで価値が目減りする。BTCは発行上限2,100万枚の希少資産であり、企業財務に組み込む最も合理的な手段だ」というものだ。
今回の25億ドル購入は、モルガン・スタンレーが1週間で1億ドルを集めたビットコインETF「MSBT」とは異なるアプローチだが、「機関投資家・大企業がBTCを本格的な資産クラスとして認識している」という点では同じ方向性にある。
取引所のBTC残高が数年来の低水準——「売り物が減る」市場の構造
CoinDeskが引用したオンチェーンデータによれば、主要取引所に預けられているBTC残高が数年来の低水準に落ち込んでいる。これが価格上昇の背景の一つとして注目されている。
取引所にBTCを置いている人の多くは、すぐに売却しようとしているトレーダーだ。その在庫が減るということは、市場に出回る「売り物」が少なくなることを意味する。需要が一定のまま供給が絞られれば、価格は上がりやすくなる。この「取引所から出ていくBTC」の動きは、保有者が長期保有(いわゆるHODL)へ移行していることを示唆している。
ただし、取引所外(コールドウォレットや機関投資家のカストディ)にBTCが移動しただけという解釈も成り立つため、これ単体で価格上昇の保証にはならない点には注意が必要だ。
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7万9,200ドルが次の分岐点——超えれば200日移動平均の8万5,900ドルが射程に
CoinDeskの分析では、7万9,200ドルが短期的な節目として意識されている。この水準を明確に上抜けることができれば、次の目標として200日移動平均(約8万5,900ドル)が視野に入ってくる。
200日移動平均とは、過去200日間の終値の平均値のことだ。市場参加者の間で「長期トレンドの分岐点」として広く意識されており、価格がこの水準を上回ると「上昇トレンド入り」と解釈する投資家が多い。
過去200日間の終値を平均した線で、株式・仮想通貨を問わず多くのトレーダーが「長期トレンドの目安」として使用する。価格がこの線を上回って推移すれば「強気トレンド」、下回れば「弱気トレンド」と判断される。今回のBTCの200日移動平均は約8万5,900ドルで、現在の7万8,000ドル台からはまだ約10%の上値余地がある。
逆に7万9,200ドルで弾き返された場合、7万5,000ドル付近が直近のサポートラインとして機能する見通しだ。
私たちの生活にどう関係するか
ビットコインが7万8,000ドルを超えたこと自体は、円建てで資産を持つ日本人には直接の生活影響はない。しかし、Strategyのような企業がBTCを企業財務に組み込む動きが拡大すれば、中長期的に影響が生じる可能性がある。
具体的には、「BTCへの機関投資家の参入が市場の流動性を高め、個人投資家がBTCにアクセスしやすい環境が整う」という効果と、「大口の売却が価格急落を引き起こすリスク」という二面性がある。今回のStrategy購入のように25億ドル単位の買いが価格を押し上げるのと同様に、大口の売りは同等以上の下落をもたらしうる。
今後の注目点
7万9,200ドルを明確に上抜けるかどうかが最初の確認点だ。次に、米FRBの次回FOMC(2026年5月)での金利決定が重要で、利下げ観測が強まればドル安・BTC高の流れが続く可能性がある。また、Strategyをはじめとするビットコイン保有企業の決算発表で保有量の変化が確認できれば、機関投資家の動向をより正確に把握できる。
個人投資家が意識すべき3つのポイント
第一に、Strategyの大量購入は「機関投資家の確信」を示す一方で、同社の財務状況が悪化した場合に強制売却が発生するリスクも存在する。企業の財務情報も意識したうえで判断したい。
第二に、取引所残高の低下は価格上昇の根拠になりうるが、「取引所外に移っただけ」の可能性もある。オンチェーンデータは一つの参考指標として活用するにとどめ、過信しないことが重要だ。
第三に、7万9,200ドルという節目を超えられなかった場合の下押しリスクに備え、一度に大きな金額を投入するのではなく、分散して購入するアプローチが個人投資家には適している。
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