【ドル円】CPI下振れでも円安が止まらない? 日銀を縛る原油高の構造

当ページのリンクには広告が含まれています。

3月24日に発表された日本の2月全国CPI(消費者物価指数)は前年比+1.3%と、日銀の目標2%を大きく下回った。にもかかわらず、ドル円は158.60円前後でほぼ動かなかった。インフレが下がっても円安が続く——その理由を整理する。

【2026年最新】海外FX業者おすすめランキング!全10社の評判を徹底解説


なぜCPI下振れで円高にならないのか

2月のCPIが大幅に下振れた最大の理由は、電気・ガスの補助金再開だ。エネルギー価格は前年比-5.5%となり、ヘッドラインCPIを大きく押し下げた。

Capital Economicsのアビジット・スリヤシニアAPACエコノミストはこう述べる。「2月の弱いヘッドラインよりも、インフレ圧力は根強い。日銀が重視するコアCPI(生鮮食品・エネルギー除く)は当面、目標以上で推移する見込みだ」。実際、コアコアCPIは+2.5%と目標を上回って推移している。

補助金でヘッドラインは下がっているが、実態のインフレは消えていない。市場はそれを見抜いており、CPI発表後に円はほぼ動かなかった。


日銀が「動けない」構造的な理由

原油高がコストプッシュインフレを生む

EFGのサム・ジョシム氏によれば、エネルギーはCPIバスケットの7%を占め、原油10%上昇は直接CPI+0.7%につながる(間接効果を含めばさらに大きい)。ただし、「コストプッシュ型のインフレへの利上げは需要を対象とするため効果薄。日銀は様子見アプローチが現実的」と指摘する。

三井住友銀行の鈴木博史氏も「原油価格20%上昇で日本CPI+0.3%の上方圧力がかかる」と試算しており、イラン戦争の長期化による物価上昇リスクを警告している。

Moody’s Analyticsのステファン・アングリック氏は「中東紛争は日本にとってサプライショック。戦争が長期化すれば打撃は大きい」と述べ、日銀の次の利上げを6月か7月と予測している。

それでも4月利上げの可能性が高まっている

日銀は3月19日に0.75%の据え置きを8対1で決定した(反対票は高田創委員のみ)。植田総裁は3月24日、「食品消費税の停止(高市政権が検討中)による中長期インフレ期待への影響は限定的になる見込み」と述べた。

INGのカン・ミンジュ氏は「日銀は直近のインフレ鈍化を重視しないだろう。コアコアインフレの粘着性、好調な春闘結果、50超を維持する製造業・サービス業PMIが4月利上げの可能性を6月より高めている」と分析する。連合が3月24日に発表した春闘第1回集計は平均5.26%で、3年連続5%超が確認された。製造業PMIは51.4(2月53.0から低下)、サービスPMIは52.8(同53.8から低下)と、中東情勢の影響で低下しながらも景況感は維持している。ただし、「中東情勢が安定し、生産・消費の低下が見られなければ、4月利上げの可能性がさらに高まる」と条件を付けている。

こうした日銀の政策的制約と原油高が重なる中、為替市場では160円突破が現実的なシナリオとして意識されている。


INGが「160突破は容易」と見る理由

INGのFXストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏は3月23日付のFX Dailyでこう述べている。「USD/JPYは今後数日で160.0を簡単に突破できる。160.0はかつての為替介入ラインだった。しかしボラティリティが高い市場では、介入することに明確なデメリットがある」。

ファンダメンタルズがドル高・円安を支えている状態では、介入で一時的に円高になっても元に戻りやすい。これが市場の見方だ。

財務省も動きを見せている。3月24日、Bloombergは「財務省が原油先物市場への介入の可能性について市場参加者に聞き取りを行った」と報じた。為替への直接介入ではなく、原油先物を通じた間接的な円安是正を模索しているという。片山財務大臣は「いかなるときもあらゆる方面で万全の対応を取る」と述べるにとどめた。


現在値と注目ライン

  • 現在値:158.60円(3月24日時点)
  • 52週高値:159.816円(3月19日)

レジスタンス

  • 159.00円FXStreetのハレシュ・メンガニ氏が「CPI発表後に向けて上昇」と指摘する当面の上値目標
  • 159.816円:52週高値
  • 160.00円:INGが「今後数日で突破」と指摘する水準

サポート

  • 158.75〜158.80円:メンガニ氏が指摘するH4チャートの200EMAが位置する水準。強気派が守りたい鍵
  • 158.261円:本日安値
  • 157.68円:先週安値

今後の注目点

  • 3月28日:米PCEデータ(2月)。インフレ加速なら円安進行
  • 4月1日:日銀短観。中東紛争の企業への影響が初めて数字で出る
  • 財務省が原油先物介入に踏み切るかどうか
  • イラン情勢の展開。ホルムズ海峡の状況次第で原油・円相場に直撃

XMTrading(エックスエム)で口座開設

2009年設立、世界196カ国・100万人以上のトレーダーに利用される老舗の海外FX業者。
日本語サポートが充実しており、最低入金額は約800円〜と少額から始められます。

✅ 2009年設立の老舗 ✅ 日本語サポートあり ✅ デモ口座 無料開設 ✅ 最低入金 約800円〜
XMTradingの公式サイトを見る

※当サイトに掲載する情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品、為替、貴金属等への投資、取引、または売買を勧誘・推奨するものではありません。投資および取引には価格変動等のリスクが伴います。当サイトの情報を利用したことにより生じた損失、損害、トラブル等について、当サイトおよび運営者は一切の責任を負いかねます。最終的な投資判断は、必ず読者ご自身の判断と責任において行ってください。

ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次