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金需要は数量+2%・金額+74%で過去最高 — WGC Q1報告が示す『ジュエリーから投資』への構造転換

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World Gold Council(WGC)が4月29日に公表した最新の四半期需要レポート「Gold Demand Trends Q1 2026」によれば、2026年1〜3月の世界の金需要は1,231トンと前年同期比2%増にとどまる一方、需要金額は1,930億ドルと過去最高を更新した。前年比+74%という金額の伸びは、価格高騰によって「ジュエリーの金」から「投資の金」へと需要構造そのものが組み替わっていることを示している。

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目次

数量+2%、金額+74% — 「価格主導」の構造

World Gold Councilが公表した一次データによると、Q1の総需要は1,230.9トン、需要金額は1,930億ドルで過去最高を記録した。LBMA金価格の四半期平均は4,873ドル/oz、1月には史上最高値の5,405ドルを付けたあと、足元では4,500〜4,700ドル台での推移となっている。

需要量の伸びが2%にとどまったのに対し、金額が74%も伸びた理由はシンプルだ。価格が前年同期比で大幅に上昇したため、同じ量を買うのに必要な金額が増えた。つまり「世界の投資家は同じ量の金を買うために前年より7割多くのドルを払っている」という状態である。価格上昇局面でも需要が崩れていないこと自体が、金市場の頑健さを示している。

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ジュエリー数量は-23% — 個人投資の主役は地金・コインへ

需要の中身を分解すると、構造変化はさらに鮮明になる。ジュエリー需要は335トンで数量ベースでは前年比-23%まで減少した。価格高騰でアジア・中東の小売店から「金細工」を買う層が落ちている。一方、ジュエリーの「金額」は+31%増えており、買う人は減ったが客単価は上がっている、という二極化が進んでいる。

代わりに伸びたのが地金・コイン投資である。Q1の地金・コイン需要は473.6トンと前年比+42%、四半期ベースで史上2番目の規模となった。なかでも中国の地金・コイン投資は207トンで過去最高を記録し、これまでの記録だった2013年Q2の155トンを大きく上回った。アジアの個人投資家にとって金は装飾品ではなく、明確に「資産防衛のための投資商品」になっている。

Q1 2026 金需要の構造変化

米国ETFは3月に過去最大の流出 — 東は買い、西は売る

地域差はETF市場でも目立つ。Investing.comがWGCレポートを引用して伝えたところでは、Q1全体の金ETF需要は+62トンと7四半期連続でプラスを維持したものの、Q1 2025の+230トンと比べると大きく減速した。

背景は北米市場の急変だ。北米の金ETFは3月だけで130億ドルの資金流出を記録し、9ヶ月連続だったインフローが終わった。月間流出額として過去最大である。米国でFRBの利下げ観測が後退し、無利息資産である金の機会費用が高まったこと、CTA(トレンドフォロー型ファンド)が反転売りに回ったこと、Operation Epic Furyを巡るリスクオフでマルチアセット売りが出たこと、の3つが重なった。

一方、インドでは3月に新たな金ETFが上場し国内ETF総数は26本に拡大、中国の地金・コイン投資は前述の通り過去最高となった。「西の利確と東の蓄積」という地域分裂が、いまの金市場の最大の特徴である。

📌 キーポイント:金ETFと地金・コインの違い
金ETFは証券会社の口座で株のように売買できる。価格は瞬時に動き、まとまった資金を素早く動かしたい機関投資家やCTAが使う。一方、地金・コイン(金貨やインゴット)は実物を保有するため売買コストや保管コストがかかるが、長期保有を前提とした個人投資家に向く。Q1のデータが示すのは、短期で動く資金(米国ETF)が利確に回り、長期で持つ資金(アジアの実物)が蓄積を続けたという「投資家層の入れ替わり」である。

中央銀行は17ヶ月連続で純買い越し — 下値支持要因として残る

需要構造のもう一本の柱が中央銀行の購入である。Q1の中央銀行純購入は244トンで前年比+3%。WGCの最新調査では「2026年に金保有を増やす予定」と回答した中央銀行は68%に達し、2025年調査の62%から比率が上昇した。

中国人民銀行(PBOC)は3月時点で2,313トンの金を保有しており、外貨準備に占める比率は9%。17ヶ月連続で買い越しを続けている。インド・トルコも昨年合計で約200トンを買い増しした。これらの動きは、米中対立の長期化と外貨準備のドル離れという構造を反映しており、価格が下落する局面でも下値を支える要因として作用する。

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私たちの生活にどう関係するか

個人にとってこのデータが意味することは2つある。第1に、価格が高騰しても世界の金需要は崩れていない。むしろ買い手が「装飾品を買う層」から「資産として保有する層」へ入れ替わっている。第2に、地域分裂が起きている。米国の金ETFは流出が続いているが、アジアの個人投資家と各国中央銀行は買いを続けている。日本の個人投資家は、北米ETFのフローだけを見て弱気にならず、グローバルな需要構造の全体像を見て判断する必要がある。

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今後の注目点

5月以降の注目点は3つに整理できる。まず、4月29日のFOMCで政策金利が3.50〜3.75%に据え置かれ、声明文では「インフレは依然として高い」と明記された。利下げ期待が後退すればドル堅調・金軟調の地合いが続く可能性がある。次に、中央銀行の購入ペース。PBOCの月次データが公表されるたびに金市場の下値が確認できる。最後に、ETF資金フロー。北米の流出が止まれば、地域分裂の解消とともに金価格の戻りが意識される。

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個人投資家が意識すべき3つのポイント

1つ目は、価格と需要構造を分けて見ることだ。スポット価格は短期で大きく動くが、Q1のデータが示すように世界の金需要そのものは安定している。価格下落のニュースだけで判断しない。

2つ目は、保有の目的を明確にすること。短期の値動きを取りに行くなら金ETFや金先物、長期の資産防衛なら地金・コインや純金積立、というように手段を使い分ける。Q1のデータは、両者を選ぶ投資家層がはっきり分かれていることを示している。

3つ目は、地域別の資金フローを定点観測することだ。北米ETFが大幅に流出している局面でも、アジアの個人と中央銀行が買い続けていれば、グローバルな需給は引き締まる。前回のFOMC開始日に関するレポートとあわせて、価格と需要構造の両面で金市場を捉えていただきたい。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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