3月の金急落12%はデレバレッジが主因 — 世界101中央銀行の72%が保有、年末平均予測は5,354ドル

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2026年3月、金(ゴールド)の価格は月間で約12%急落し、3月末時点で1オンス当たり約4,608ドルの水準まで値を下げた。この下落の原因として「イラン戦争による中東の供給混乱」を指摘する声があったが、World Gold Council(WGC)の分析は異なる結論を示している。急落の主因は地政学リスクではなく、金融市場のデレバレッジ(レバレッジの強制解消)だったという。

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目次

WGCが明かす「3月急落の真相」

Kitcoが4月8日に配信したWGCの分析によると、3月の急落には3つの連鎖があった。

第一に、金ETFから月間約120億ドル規模の純流出が発生した。機関投資家が金ETFを売却し、現金を確保しようとしたためだ。第二に、CTA(商品取引アドバイザー)と呼ばれる自動売買ファンドが、50日・55日移動平均線を金価格が割り込んだ時点で売りシグナルを出し、機械的に大量の売り注文を執行した。第三に、他の金融市場でも損失が拡大する中、証拠金(担保)の追加差し入れを求められた投資家が、金を売って現金を調達するクロス資産のデレバレッジが連鎖した。

📌 キーポイント:「デレバレッジ」とは
借り入れや証拠金を使って大きなポジションを持つことを「レバレッジをかける」という。相場が急変動すると、証券会社から追加の証拠金を求められる(追証)。これに応じるために保有資産を売却せざるを得なくなる状態が「デレバレッジ」だ。金は流動性が高く換金しやすいため、他の資産の損失穴埋めに使われることがある。

WGCは、こうした売り圧力が一巡した4月初頭には金ETFへの資金流入がプラスに転じ、オプション市場でも中期的な強気センチメントが回復しつつあると指摘している。

図解

世界101中央銀行の72%が金を保有 — 2026年末の平均予測は5,354ドル

3月の急落があったにもかかわらず、世界の中央銀行の金への関心は衰えていない。Kitcoが4月8日に報じた調査結果によると、HSBCとCentral Banking Publicationsが共同で101の中央銀行(管理資産総額9.5兆ドル)を対象に実施したサーベイでは、72.6%が金に投資していると回答した。前回調査の69.4%から3.2ポイント上昇しており、現在15行が積極的に買い増しを進め、さらに3行が今後5〜10年での増加を計画している。

注目すべきは価格予測だ。同調査では、参加した中央銀行の2026年末の金価格予測の平均値が1オンス当たり5,354ドルと示されている。現在の4,600〜4,700ドル台からみると約15〜17%の上昇余地を見込んでいる計算になる。地政学的緊張を「最大の懸念事項」として挙げた中央銀行は69.7%に上り、不確実性が高まるほど金への需要が増える構図が続いている。

個別の動きとしては、中国人民銀行が3月に約5トン(16万トロイオンス)の金を購入し、これで17ヶ月連続の増加となった。また、フランス中央銀行が行ったニューヨーク保管金の売却・パリ買い戻しについては当サイトの解説記事を参照してほしい。

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私たちの生活にどう影響するか

金価格の動きは、直接的に個人の資産形成に関わる。金ETFや純金積立を保有している投資家にとって、3月の12%急落は一時的な評価損をもたらした。しかし、WGCが分析するようにデレバレッジが主因であれば、需給の構造的な変化(中央銀行の買い意欲の拡大)は変わっていない。

一方で、短期的にはFRBの金利政策が重要な変数になる。4月8日のKitcoの市況リポートによると、10年米国債利回りが4.34%と高水準を維持しており、金利が高い状態では「利子を生まない金よりも債券の方が有利」という判断が働きやすい(公開日:2026-04-08)。金利が下がれば金の割安感が増すが、利下げ時期が遠のけば金の上値が重くなる。

純金積立や金ETFで中長期の分散投資として金を持っている場合、短期の価格変動に一喜一憂するよりも、中央銀行の買い意欲や地政学リスクという構造的な要因を軸に判断することが重要だ。

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今後の注目点

  • FRBの利下げ時期:米国の利下げが早まれば金利低下→金の割安感増大となり、価格を押し上げる方向に働く。逆に利下げが遠のけば上値が重くなる
  • 中央銀行の買い動向:中国・トルコ・インドなどの新興国中央銀行が買いを継続するかが価格の底値を左右する
  • ETF資金フロー:4月初旬に資金流入がプラスに転じたとされるが、この回復が続くかどうかが短期の方向性を決める鍵となる

個人投資家が意識すべき3つのポイント

3月急落の主因はデレバレッジであり、金の需要構造は変わっていない:WGCの分析は「戦争リスクで金が売られた」のではなく「金融市場の混乱で機械的に売られた」と結論づけている。中央銀行の買い意欲という長期的な需給の下支えは継続中であり、評価損を抱えた投資家は慌てて損切りするよりも、需給構造を確認することが先決だ。

中央銀行の2026年末予測5,354ドルは「目標値」ではなく「見通し」:101中央銀行の平均予測であり、実際の到達を保証するものではない。ただし、世界最大の機関投資家群が金の長期強気を維持していることは確認できる。個人投資家が金を分散投資の一部として持つ合理性は引き続き存在する。

短期は米国債利回り、中長期は中央銀行の動向を見よ:金価格の短期的な動きは米国債利回りに大きく左右される。4.3%超の利回りが続く間は上値が重くなりやすい。一方、17ヶ月連続で金を買い増す中国人民銀行に代表される中央銀行の構造的な需要が、価格の長期的な下支えになっている。

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    ホッホ博士
    マネー比較ラボ編集部
    金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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