中東情勢の急激な悪化を受け、金(XAU/USD)が週明けに急騰した。米国とイスラエルによるイラン共同攻撃、そしてイランの報復攻撃が世界市場を一気にリスクオフへと傾け、安全資産への資金流入が加速している。
執筆時点で金は5,390ドル付近と、約1カ月ぶりの高値圏に到達した。過去最高値更新も射程に入っている。
■ 米イラン戦争が市場心理を一変
週末、米国とイスラエルはイランに対し共同攻撃を実施。報道によればイラン最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したとされる。
これに対しイランは中東地域の米軍基地へ攻撃を実施。市場では広範なリスク回避姿勢が強まり、金と米ドルが買われる展開となった。
さらに懸念されているのがホルムズ海峡だ。世界の原油輸送の約20%を担うこの要衝で供給混乱が起きれば、エネルギー価格の急騰を通じてインフレ圧力が再燃する可能性がある。
実際、WTI原油は1バレル=70ドルを突破し、2025年6月以来の高値水準へと上昇している。
原油高 → インフレ再加速懸念 → 実質金利抑制 → 金に追い風
という典型的な安全資産シナリオが形成されつつある。
■ ING「地政学は金の強気構図を補強する」
INGのコモディティ戦略担当エヴァ・マンセイ氏とウォーレン・パターソン氏は、今回の動きは新しい強気材料というより「既存の強気トレンドを補強するもの」と分析する。
ポイントは以下だ。
- 実質金利は依然として抑制的
- 中央銀行の金購入は強い
- 年内の金融緩和期待が継続
仮に緊張が一時的に落ち着いたとしても、金の構造的な下値は限定的になる可能性が高いという。
一方で、ドル高が進行した場合は上昇スピードを抑える要因になり得るとも指摘する。
■ 今週はNFPが焦点 FRB利下げ観測を再評価へ
地政学リスクに加え、今週は米経済指標も重要な材料となる。
- 月曜:ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 水曜:ADP雇用統計、ISM非製造業PMI
- 金曜:非農業部門雇用者数(NFP)、小売売上高
最近のデータではインフレの粘着性が示され、市場は短期的な利下げ観測を後退させている。雇用統計が強ければ、金の上値は一時的に抑えられる可能性もある。
■ テクニカル:上値モメンタム強化
日足ベースでは強気バイアスが維持されている。
- 価格は21日・50日移動平均線の上で推移
- RSIは65と過熱圏手前
- MACDは再び上向き
- ADXは20付近でトレンド成熟段階
上値の初期抵抗帯は5,400〜5,500ドル。
ここを明確に突破すれば、史上最高値5,598ドルが視野に入る。
下値は21日線付近の5,040ドルが第一サポート。割り込めば4,900ドル、さらに50日線の4,815ドルが意識される。
■ ヘッドライン相場だが構造は強気
今回の金上昇は、単なる短期的な地政学ショックではなく、
- 原油高によるインフレ期待
- 実質金利の抑制
- 中央銀行の継続的買い
- 年内緩和観測
という複合要因に支えられている。
中東情勢が拡大すれば上値追い、限定的であれば一時調整。ただし、INGの見方通り「大幅下落より浅い押し目」に留まる可能性が高い。
市場は今、戦争と金融政策という二つの軸で再び金を評価し直している。
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