中東情勢を巡る緊張が一時的に緩和するとの見方から、アジア株式市場が大きく反発している。
米国のトランプ大統領がイランとの戦争について「かなり早く終わる可能性がある」と発言したことを受け、原油価格が急落。エネルギー価格の上昇懸念が後退したことで、日本や韓国などアジア市場ではリスク資産への買い戻しが広がった。
特に韓国株と日本株の上昇が目立ち、アジア市場のセンチメントを押し上げている。
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日本・韓国株が主導するアジア株の反発
アジア市場では特に韓国株の上昇が目立った。韓国総合株価指数(KOSPI)は取引開始直後から急伸し、5%を超える上昇となった。地政学リスクの後退を受けて投資家心理が大きく改善した形だ。
日本市場でも反発が鮮明となった。日経平均株価は約2.5%上昇し、前日に5%以上下落した反動もあって買い戻しが入った。
このほか香港のハンセン指数やオーストラリアのS&P/ASX200、インド株などもそろって上昇し、アジア株式市場全体でリスク資産への資金回帰がみられた。
旅行関連株など景気敏感セクターにも買いが入り、市場のムードは一転している。
原油が急落 1日で市場心理が反転
株式市場の反発の背景にあるのが、原油価格の急落である。
中東情勢の緊張から、原油は一時1バレル100ドルを超える急騰を見せていた。しかしその後、トランプ大統領が戦争の早期終結を示唆したことで状況が一変。原油価格は最大で10%近く急落した。
ブレント原油は一時約89ドルまで下落し、米WTI原油も約86ドルまで下げた。原油市場では短時間で激しい値動きとなっている。
ホルムズ海峡が焦点 世界エネルギーの要衝
今回の原油市場の混乱の中心にあるのが、ホルムズ海峡である。
ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置する海峡で、サウジアラビア、イラク、UAEなど湾岸産油国の原油輸送の要衝だ。2025年には約1300万バレル/日の原油がこの海峡を通過し、世界の海上原油輸送の約3割を占めるとされる。
そのため、仮に海峡が封鎖されれば世界のエネルギー供給に深刻な影響が出る可能性がある。
実際、今回の衝突では一時的に世界の石油供給の約20%が停止した可能性があるとの指摘も出ており、市場は大きく動揺していた。
原油価格の落ち着きが株式市場を押し上げ
アジア株の反発は、単なる地政学リスクの後退だけではない。
原油価格の急落は、
- インフレ圧力の緩和
- エネルギー輸入国の経済負担の軽減
- 企業コストの低下
といった形で、アジア経済にプラスに働く可能性がある。
特に日本や韓国はエネルギー輸入依存度が高い国であるため、原油価格の落ち着きは株式市場にとってポジティブな材料となりやすい。
市場は依然として中東情勢の行方を注視しているが、短期的には「最悪シナリオは回避されるのではないか」という期待が株価を押し上げている格好だ。
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