4月17日の早アジア時間、EUR/USDは1.1780近辺まで下落し、1.1800のサポートを割り込んだ。FXStreetによると、トランプ大統領が「米イランの恒久的停戦を達成できる可能性がある」と楽観的な見通しを示したことで地政学リスクが後退し、ドルに改めて資金が向かった。EUR/USDは直前まで8週間ぶり高値をつけていたが、そこからの反落となっている。
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なぜ「停戦期待」がドル高につながるのか
2026年に入り、ドルは対ユーロで大幅に売られた時期があった。トランプ政権の関税政策への不透明感や、米国の経済見通しへの懸念から、投資家はドル資産を減らしユーロなどに資金を移した。その結果EUR/USDは1.19台近辺まで上昇し、ドル指数(DXY)は98付近と歴史的に弱い水準に沈んでいた。
こうした背景のもとで、中東情勢に変化が生じた。イスラエルとレバノンは4月16日に10日間の停戦に合意し、米国とイランは週末に交渉を再開する予定だ。トランプ大統領はこの交渉について「永続的な停戦の可能性がある」と語った。
地政学リスクが後退すると、「米国の不確実性を嫌ってドルを手放す」圧力が薄れる。ドルを売っていた投資家が手仕舞いに動けば、ドル買いが再燃する。EUR/USDが1.18を割り込んだのはこのメカニズムによるものだ。
一般に「有事のドル買い」と言われるが、米国が地政学リスクの当事者になる場合はドルが売られることがある。2026年前半のドル安は米国自身の政策リスク(関税・財政)が原因で、中東の緊張緩和がその売り圧力を一部取り除く形となった。
EUR/USDの8週間ぶり高値からの反落
EUR/USDが直前まで到達していた「8週間ぶり高値」は1.19台近辺とみられる。1.1780への下落は短期的な調整の範囲だが、1.1800という節目を割り込んだことで、さらなる下落が試されやすくなった。
テクニカルには1.1700〜1.1750付近が次のサポート帯となる。ただし、ドル指数(DXY)は依然として98付近に位置しており、歴史的に見て弱い水準だ。ドルの本格回復が始まるかどうかは、週末の米イラン交渉の結果に大きくかかっている。
ドルが98台まで売られた背景には、トランプ政権の関税発動で米国自身が貿易摩擦の震源となったことがある。通常は「リスクオフ=ドル買い」の図式が働くが、米国発のリスクには「ドル売り」で反応する局面が続いた。中東の緊張緩和はその売り圧力を一部取り除く役割を果たしている。
ECBは年内2回の利上げを視野に — ユーロの中期的下支え
ユーロ側の材料として注目されるのが、欧州中央銀行(ECB)の政策見通しだ。4月会合での利上げ確率は5分の1程度と低いが、6月会合での利上げはほぼ確実視されている。さらに秋にも追加利上げが見込まれており、市場は2026年中に合計0.5%(2回×0.25%)の利上げを織り込んでいる。
金利が上がれば預金や債券の利回りが高くなる。ECBが利上げを続ければユーロ建て資産の魅力が高まり、ユーロ買いにつながりやすい。今回の短期的なユーロ安は主にドル回復によるものであり、ECBの利上げ見通しが変わらない限り、EUR/USDが大きく崩れる可能性は現時点では低い。
一方、FRBは2026年の利上げに慎重な姿勢を維持しており、米国側の金利据え置きが続く中でECBが利上げを進めれば、欧米の金利差はユーロに有利な方向に変化する。これが中長期でのユーロ買い材料として積み重なっていく。
私たちの生活にどう関係するか
EUR/USDの動きは、円建て資産を持つ日本人投資家にとっても間接的な影響がある。EUR/JPYはユーロとドルの動きを複合的に反映しており、ユーロ建て資産(欧州株ファンドなど)を保有している場合は為替変動を意識する必要がある。
また、ドルの動向は輸入物価に直結する。ドルが強くなれば円安が進みやすくなり、エネルギーや食料品など輸入品の値上がり圧力が生まれる。逆に、DXYが98台という弱いドル水準が続けば、輸入コストの落ち着きが持続する可能性もある。
中東情勢との連関でもう一つ重要なのが原油価格だ。イランは主要な石油輸出国であり、米イラン停戦が実現すれば原油供給増加への期待が生まれ、原油安を通じた輸入コスト低下が家庭の光熱費にも波及し得る。
今後の注目点
最大の焦点は4月21日に迫る米イラン交渉期限だ。交渉が合意に向かえばドル回復が続き、EUR/USDのさらなる下落もあり得る。逆に決裂すれば地政学リスクが再燃し、ドルへの売り圧力が戻ってくる可能性がある。EUR/USDの方向感は週明け早々に試されることになる。
ECBが6月に利上げを決定した場合は、その時点でユーロの買い戻し材料になる。EUR/JPYに影響するため、欧州関連の資産を保有している投資家はECBの声明も継続的に確認しておく必要がある。
個人投資家が意識すべき3つのポイント
- 週末の米イラン交渉が週明けのドル/ユーロを決める:4月17〜20日の交渉次第でEUR/USDの動きが大きく変わる。月曜日の市場オープン前に交渉の結果を確認しておくことが重要だ。
- ECBの利上げ観測はユーロの中期的な下支えになる:短期的にはドル回復でユーロが売られているが、6月以降のECB利上げが予想通り実施されれば、EUR/USDは再び上方向の材料を得る。短期の下落に引きずられず中期の方向感を見ておくことが大切だ。
- ドル安基調が続く限り円高圧力も残る:DXYが98と低水準にある限り、USD/JPYの上値は重い。輸入コストの落ち着きが続く可能性を念頭に置き、家計や事業のコスト計画に反映させること。
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