ドル円(USD/JPY)は金曜日、154.90円前後で推移し、前日比0.13%高となっている。日本のインフレ指標が鈍化を示したことに加え、米国では財政・通商政策を巡る不透明感が高まり、ドル売り・円買いが優勢となった。
日本のインフレ減速、日銀の追加引き締め観測を冷やす
日本の1月全国消費者物価指数(CPI)は前年比1.5%上昇と、前月の2.1%から伸びが鈍化。2022年3月以来の低い伸び率となった。生鮮食品を除くコア指数は2.0%(前月2.4%)、生鮮食品とエネルギーを除く、いわゆるコアコア指数も2.6%(前月2.9%)へと減速している。
物価上昇圧力の明確な減速は、日本銀行が迅速に追加利上げへ踏み切るとの見方を後退させる要因となる。超緩和的な金融政策からの段階的な正常化が意識されてきたが、物価の持続的な減速が確認されれば、早期の利上げ正当化は難しくなる。
もっとも、基調的なインフレ圧力はなお底堅いとの指摘もある。エネルギー価格の下落や一部財政措置といった一時的要因が物価を押し下げている面があり、サービス価格の上昇は依然として堅調だという見方だ。1月のサービス価格改定の強さを踏まえると、4月以降の価格調整がインフレを再び支える可能性もあり、日銀の漸進的な政策正常化観測は完全には消えていない。
米国ではドルに逆風、通商政策と景気指標が重荷
一方、米国ではドルを取り巻く環境が不安定化している。米最高裁が、国家安全保障を理由とした一部関税の適用を違法と判断したことを受け、通商政策の先行きに対する不透明感が強まった。これがドル売り圧力につながっている。
加えて、米国の第4四半期国内総生産(GDP)は年率換算で1.4%増と、市場予想を下回った。S&Pグローバルの企業活動指標も2月にやや減速を示唆。さらに、ミシガン大学消費者信頼感指数は2月に56.6と、1月の57.3から低下し、予想も下回った。
こうした米経済指標の弱さと政策不透明感が重なり、ドルは上値の重い展開となっている。
ドル円は方向感を探る局面へ
日本のインフレ鈍化は円安要因ともなり得るが、足元では米ドル側の弱さが勝り、ドル円は軟調に推移している。日銀の政策正常化期待と米国の財政・通商リスクが交錯する中、今後は日米双方の経済指標と政策発言が相場の方向性を左右する展開が続きそうだ。

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