ドル円、160円への上昇はあるか  日本の総選挙が最大の材料に 早苗ブームで円安加速?

ドル/円(USD/JPY)と米ドルは、ここ1週間あまりで明確な潮目の変化を見せた。きっかけとなったのは、米財務長官のスコット・ベッセント氏が「米国はドル円市場に介入していない」と明言したことだ。市場の関心は、この反発基調がどこまで続くのかに移っている。

2週間前、市場では「円買い介入」を巡る憶測が広がり、キャリートレードの巻き戻しが大規模に起きるのではないかとの不安がヘッドラインを支配していた。日本の金利が依然として低水準にとどまる一方、世界的には景気回復とともに金利が上昇しており、日本から低コストで資金を調達し、高金利通貨に投資するキャリートレードが積み上がっていた。

その最大の弱点が円である。円は2021年初頭と比べて対ドルで50%以上下落しており、投資家が為替リスクをヘッジするため円を売るのは自然な流れだった。その結果、ドル円には極端に一方向へ傾いたポジションが形成され、この3年以上の間にも、短期的ながら何度も巻き戻しが発生してきた。ただ、そのたびに日本側の利上げ観測が後退し、ドル円は下支えされてきた。

2週間前に日銀の金融政策決定を受けて急変動が起きた際も、政府による意図的な介入というより、過度に積み上がったポジションが反転を警戒して一斉に手仕舞われた「ポジション調整」と見るのが妥当だろう。その見方は、この2週間の値動きによって一層裏付けられた。

転機となったのが、ベッセント財務長官の発言だ。米国の不介入が明確になると、ドル円は上昇に転じ、以降はほぼ一方向の動きが続いている。

日本の選挙と早苗ブーム

足元で最大の材料となっているのが日本の選挙情勢だ。いわゆる「早苗ブーム」が国内を席巻しており、現政権と与党・自民党、そして連立パートナーが衆議院465議席中300議席以上を獲得するとの見方は限定的だ。仮に3分の2の議席を確保できれば、高市氏は昨年10月の選挙で掲げた成長重視の経済政策を改めて推進しやすくなり、当時と同様にドル円の上昇を後押しする可能性がある。

日本ではインフレが課題となっているものの、引き締めや利上げよりも、8%の消費税停止を主張している点が円売り材料として意識されている。

もっとも、再び問題となるのは「ポジションの偏り」だ。すでにロングを抱える投資家が多いため、選挙結果が予想外に振れ、主要野党である中道改革連合に票が集まるような展開になれば、急反転のリスクがある。一方で、ここまで勢いの強いトレンドを前に、売りに転じることへの警戒感も根強い。

仮に来週、ドル円が160円の節目を明確に上抜ける場面があれば、2024年7月のように急騰が進み、最終的に財務省が介入を余儀なくされる展開も想定される。

現時点では上昇トレンドは維持されており、今週初めに見られた155円付近への押し目は、引き続き有効な戦略とみられる。次の上値目標としては、157.90円、その先に159.46円が意識されている。

ドル円は再び円安トレンドへ?160円が現実味を帯びる理由

ドル円は、キャリートレードの構造上、ドル指数(DXY)全体に与える影響が大きい。ここ1週間のドル高局面でも、その牽引役はドル円だった。

ドル指数は、週前半に97.94付近の重要なフィボナッチ水準を再テストしており、弱気派にとっては戻り売りを検討できる局面に入っている。一方、ドル強気派にとっては、ドル円の上昇が続くかどうかが、今後のドル高継続のカギを握る。

160円という心理的な節目が目前にある以上、ドル円のドル高がこのまま加速できるのか、それとも調整に入るのか。市場はその分岐点に差し掛かっている。

参考:forex.com

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
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