ドル円(USD/JPY)は祝日明けの取引となった火曜日、153円台半ばを中心に方向感の乏しい展開となった。日本銀行(BoJ)の追加利上げ観測が円を下支えする一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測後退がドルを支える構図となり、相場は上下に振れながらもレンジ内にとどまっている。
執筆時点でUSD/JPYは153.40近辺で推移。一時152.70付近まで円高となったものの、明確なトレンドは形成されていない。

日銀の利上げ期待が円を支援
円は主要通貨に対して底堅く推移している。背景には、高市早苗首相の積極財政スタンスへの期待に加え、日銀が今後数カ月以内に追加利上げに踏み切るとの観測がある。
国内政策の安定感が意識される中、日本の金利正常化シナリオは徐々に市場に織り込まれつつあり、これが円買い圧力につながっている。
米指標は堅調も、ドルは伸び悩み
一方、米経済指標はドルを一定程度支えた。2月のニューヨーク連銀製造業景況指数(NYエンパイア指数)は7.1と、市場予想の6を上回った。また、ADP雇用統計の4週平均も10.3万人と前回から改善した。
米ドル指数(DXY)は一時97.54まで上昇したが、その後は97.24近辺へとやや反落。ドルは持ち直しつつも、上値追いの勢いは限定的だ。
FRBは慎重姿勢を維持
FRBのマイケル・バー理事は「インフレが2%目標へ戻る十分な証拠を見たい」と述べ、追加利下げには慎重な姿勢を示した。直近の雇用とインフレ指標は安定的との認識を示している。
1月の米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が13万人増と前月から大きく回復。失業率は4.3%へ低下した。消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%へ鈍化している。
市場では年内2回の利下げが織り込まれており、3回目の利下げ確率も徐々に上昇。ただし、12月FOMCのドットチャートでは2026年の利下げは1回のみが示唆されている。
今週の焦点:FOMC議事録と日米インフレ指標
今後の焦点は、水曜日に公表される1月FOMC議事録。政策スタンスの詳細が示されれば、ドルの方向感が定まる可能性がある。
さらに金曜日には米第4四半期GDP速報値およびコアPCE価格指数が発表される予定で、これらはFRBの金融政策見通しを左右する重要材料となる。
日本では今週の経済指標は限られているが、金曜日に発表される全国消費者物価指数(CPI)が日銀の次の一手を占ううえで注目される。
日銀の利上げ観測とFRBの利下げ時期を巡る思惑が交錯する中、USD/JPYは当面レンジ内での神経質な値動きが続く可能性が高い。方向感を示すには、今週後半の重要指標を待つ必要がありそうだ。

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