ドル円が160.355円に達した(3月28日時点)。2024年に財務省が為替介入を実施した水準をついに上抜けた。3月初旬の152.10円から3週間弱で約8円の上昇だ。片山財務大臣が「大胆な行動」という言葉を繰り返し発言してきたが、その言葉が試される局面に突入している。
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なぜ160円を突破したのか——3つの連鎖
① イラン戦争によるエネルギーコスト急騰
2026年2月28日のイラン戦争開始以来、ホルムズ海峡の緊張が継続している。ブレント原油の3月平均は約97ドルと2月比で33%上昇した。日本はエネルギー輸入の約**95%**を中東に依存しており、エネルギーコスト急騰が貿易収支と経済見通しを直撃している。
トランプ大統領は3月26日にイランへの攻撃延期を4月6日まで延長したが、イランは独自の条件を提示して米提案を拒否。和平交渉の見通しは不透明なままだ。
② 「有事のドル」が「有事の円」を圧倒
本来、地政学リスクは安全資産としての円需要を高めるはずだ。しかし今回、リスクオフのフローはドルに集中している。日本が「戦争の被害者側」に位置するため、円を買う合理性が失われている。
③ 日米金利差の固定化
FRBは3月会合で金利を**3.50〜3.75%に据え置き、足元では15bpの利上げまで織り込まれている。日銀は0.75%**で据え置きを継続している。利下げ期待が後退した上に利上げ観測まで台頭しており、金利差縮小のシナリオが遠のいた。
口先介入の効果が剥落している
三菱UFJ銀行のデレク・ハルペニー氏(グローバル市場調査担当責任者)は「片山財務相は介入のレトリックを強化したが、言葉の価値は下がっている」と指摘する。
片山財務相は160円接近に際して「大胆な行動」を警告し、「あらゆる方面で万全の対応を取る」と発言を重ねてきた。日韓共同声明でも日本円と韓国ウォンの急落への「深刻な懸念」を表明した。それでも円は売られ続け、160円を突破した。
ハルペニー氏は財務省の実弾介入を予想し、米国の関与もあり得ると述べた。FRBが1月にドル円のレートチェックを実施した経緯があり、「ワシントンは一般的にドル高を不快に思っている」と指摘した。
介入は効くか——各社の見方
MUFG(ハルペニー氏):160円突破なら財務省が介入に踏み切ると予想する。ただし財務省が160円超えの動きをある程度容認する可能性もあるとしており、介入のタイミングは不確実だ。
BBHのエリアス・ハダッド氏:「介入は円安のスピードを緩められるが、エネルギー輸入コスト高と世界的な金利上昇という二重の逆風を相殺できない」と根本的な限界を指摘した。
ING(クリス・ターナー氏):「日本当局は160でラインを引くことに苦労する可能性がある」と述べ、さらなる円安シナリオも視野に入れている。10年米国債利回りが月間50bp上昇しており、大規模な介入(米国債売却による資金調達)が米金利上昇を招く悪循環リスクも指摘する。
日銀の板挟みは続く
Bloombergの市場調査(3月11日時点)では**37%**が4月利上げを予想しており、2ヶ月前の17%から急増している。日銀も3月会合で自然利子率の下限を微修正しており、BBHはこれを「タカ派的ニュアンス」と分析した。
黒田東彦・元日銀総裁は3月25日の朝日新聞インタビューで、イラン情勢について「金利の引き上げを加速することになっても、上げないことにはならない」と述べた。「中立金利の1.5%前後まで、今年と来年で0.25%ずつ3〜4回利上げしても問題ない」との見解も示している。
しかし原油高が続く限り、日銀は動きにくい。コストプッシュ型のインフレに対して利上げは効果が薄く、利上げが景気を痛め、利上げしなければ円安が輸入インフレを加速させる——どちらに転んでも逆風という構造は変わらない。
過去の事例が示す「ラインは引き直される」パターン
forex.comのジェームズ・スタンリー氏は2022年と2024年の事例を参照し、重要な示唆を与えている。
2022年、市場が「レッドライン」と信じていた145円は約1ヶ月の膠着の後に突破され、その後150円で介入が実施された。2024年の最初の160円突破では日銀が介入し、価格は151.95円まで押し戻されたが、数ヶ月後には再び160円台に戻った。さらに2回目の160円突破では161.95円まで上昇してから反転している。
スタンリー氏は「介入ラインは単純に引き直される可能性がある」と指摘し、160円突破が継続するシナリオでは161.95円が次の上値抵抗として重要だと述べる。また2024年の介入が米CPIレポートの朝に実施され、その後の巻き戻しが世界的な株安を招いた点にも注意が必要だと警告している。
現在値と注目ライン
レジスタンス
- 161.00円:次の心理的節目
- 161.95円:2024年の2回目の160円突破時の高値。スタンリー氏が指摘する次の上値抵抗
- 162.00円:中期的上値目標
サポート
- 158.50円:即時サポート
- 157.50円:50日EMA付近
- 152.50円:長期上昇起点
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