銀(XAG/USD)は前日の急落から反発し、欧州時間序盤にかけて1トロイオンス=76.50ドル台まで持ち直した。ただし、週間ベースでは3週連続の下落となる可能性が高く、ボラティリティの再拡大が市場の不安定さを物語っている。
前日の11.5%急落、明確な材料なし
木曜の下落率は約11.5%と大幅だったが、決定的な悪材料は見当たらなかった。株式や仮想通貨も同時に売られており、広範な強制清算が発生した可能性が高い。システム売買やアルゴリズム取引による連鎖的な売りが、下落を加速させたとみられる。
こうした機械的なフロー主導の動きは、反発も速いが持続性に欠ける傾向がある。
米CPIが次の方向を決める
市場の焦点は、最新の米消費者物価指数(CPI)へ移っている。
- 総合インフレ率:2.7% → 2.5%へ鈍化予想
- コアインフレ率:2.6% → 2.5%へ鈍化予想
もし予想通りインフレが鈍化すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを再開する余地が広がり、金利低下観測が非利回り資産である銀を支える展開も考えられる。
ただし、CMEのFedWatchツールによれば、3月会合で金利据え置きとなる確率は約92%と織り込まれており、短期的な利下げ期待は後退している。市場は現在、年内に25bpの利下げを2回実施するシナリオを想定しており、初回は6月ではなく7月との見方が優勢だ。
地政学リスクの後退も重し
安全資産としての銀需要はやや弱含んでいる。米国のトランプ大統領が、イランとの協議が最大1カ月続く可能性を示唆し、軍事的緊張の即時拡大リスクが低下したためだ。外交的解決を模索する姿勢が確認されたことで、リスク回避の買いは一服している。
テクニカルと短期シナリオ
急落後の反発は自律的な買い戻しの色合いが強い。目先は76ドル台の維持が焦点となる。
- 76.50ドル超えの定着で短期反発継続
- 75ドル割れで再び下値模索の可能性
全体としては、インフレ指標待ちの様子見相場。CPI次第で、銀は一段高にも再調整にも振れやすい局面にある。短期トレーダーにとっては、イベント通過後の方向確認が重要になりそうだ。

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