SEC、暗号資産の証券該当性を史上初の公式定義 — 「大半は証券ではない」4カテゴリで業界に歴史的転換

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米証券取引委員会(SEC)が3月17日、暗号資産が証券に該当するかどうかを判別する初の公式ガイダンスを発表した。10年以上にわたり業界を悩ませてきた「暗号資産は証券なのか?」という根源的な問いに、ついに規制当局が答えを出した形だ。結論は、「大半の暗号資産は証券ではない」。

CoinDeskによると、SECは暗号資産を4つの非証券カテゴリに分類した。「デジタルコモディティ」「デジタルコレクティブル」「デジタルツール」「決済ステーブルコイン(GENIUS法準拠)」の4つだ。これらに該当する暗号資産はSECの証券法の適用外となり、SEC登録やコンプライアンスの負担から解放される。

目次

ビットコインとイーサリアムは「デジタルコモディティ」に

最も注目されるのは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が「デジタルコモディティ」として正式に位置づけられたことだ。SECとCFTC(商品先物取引委員会)は3月11日に共同覚書に署名しており、BTCとETHは証券ではなく商品(コモディティ)としてCFTCの管轄下に置かれることが確定した。

これまでSECは「ETHは証券の可能性がある」という立場を示唆してきたが、今回のガイダンスでその曖昧さが解消された。ETH保有者にとっては、証券法上のリスクが大幅に軽減されたことを意味する。

「証券」に該当するのはトークン化された従来型資産のみ

一方で、SECの管轄に残るのは「デジタル証券」と呼ばれるカテゴリだ。これは株式や債券などの従来型証券をブロックチェーン上でトークン化したもので、発行・取引にはSECへの登録が引き続き必要となる。

ポール・アトキンスSEC議長は「我々はもはや”証券とその他すべての委員会”ではない」と述べ、従来のゲンスラー前議長時代の「ほぼすべてが証券」という姿勢からの明確な方針転換を宣言した。この発言は、トランプ政権下での暗号資産に対する姿勢の変化を象徴している。

スタートアップに最長4年の登録免除

アトキンス議長は同日、「Regulation Crypto Assets」と呼ばれる新たな規制フレームワークも提案した。このフレームワークの中核は「スタートアップ免除」制度だ。暗号資産プロジェクトの新興企業に対し、最長4年間のSEC登録免除を認めるもので、イノベーションの阻害を防ぐ狙いがある。

従来、暗号資産スタートアップは「トークンが証券に該当するかもしれない」というリスクを常に抱えていた。SECからの突然の執行措置(enforcement action)を恐れて、米国を離れる企業も少なくなかった。4年間の免除期間は、プロジェクトが十分に成熟してから規制対応を行う猶予を与えるものだ。

また、CLARITY法案(暗号資産の規制管轄を明確化する法案)が議会で進行中だが、SECは法案の成立を待たずに先行してガイダンスを出した。規制当局自らが「明確なルール作り」に動いたことは、業界にとって大きな安心材料だ。

4つの非証券カテゴリの詳細

SECが新設した4つの非証券カテゴリを、もう少し詳しく見ておこう。「デジタルコモディティ」はBTCやETHのように、分散型ネットワーク上で機能するトークンが該当する。「デジタルコレクティブル」はNFT(非代替性トークン)のようなユニークなデジタル資産だ。「デジタルツール」はブロックチェーンネットワークの利用権を表すトークン(ユーティリティトークン)を指す。そして「決済ステーブルコイン」は、GENIUS法に準拠した米ドル連動型のステーブルコインが該当する。

この分類が画期的なのは、従来の「ハウイーテスト」(投資契約に該当するかの判定基準)だけでは捉えきれなかった暗号資産の多様性を認めた点にある。ビットコインは通貨のような性質、NFTはアート作品のような性質、ユーティリティトークンはソフトウェアライセンスのような性質をそれぞれ持つ。一つの基準で全てを判定するのではなく、資産の性質に応じた4つの枠組みを用意したことで、実態に即した規制が可能になる。

DeFiプロジェクトへの影響

今回のガイダンスは、DeFi(分散型金融)プロジェクトにも大きな影響を与える。多くのDeFiトークンは「証券に該当するかどうか」の法的リスクを抱えてきたが、「デジタルツール」カテゴリに分類されるトークンが増えれば、DeFiプロジェクトの法的安定性は大きく向上する。

実際、同日にはPhantom(暗号資産ウォレット大手)がCFTCから「ノーアクションレター」(違反の意図がないことを確認する書面)を取得し、米国のデリバティブ市場へのアクセスが認められた。また、米国の地方銀行5行がイーサリアムのレイヤー2であるZKsync上にトークン化預金ネットワークを構築する計画も発表されている。規制の明確化が、具体的なビジネス展開を後押しし始めている。

日本の投資家への影響

米国の規制明確化は、日本の投資家にも間接的に大きな影響がある。第一に、暗号資産市場全体の法的リスクが低下することで、機関投資家の参入が加速し、市場の安定性が向上する。第二に、米国の規制フレームワークが今後の日本や欧州の規制設計にも影響を与える可能性がある。

ゲンスラー前SEC議長の「規制による取り締まり」路線では、米国の暗号資産企業が海外に流出する事態が続いていた。今回の方針転換は、米国が再び暗号資産のイノベーションの中心地になることを目指す動きであり、市場全体の成長に寄与するものだ。

ただし注意点もある。今回のガイダンスはSECの解釈であり、法的拘束力のある法律ではない。CLARITY法案が議会を通過して初めて、この分類は恒久的なものとなる。また、個別のトークンがどのカテゴリに該当するかの判断はケースバイケースであり、すべてのアルトコインが自動的に「安全」になったわけではない。投資判断は引き続き慎重に行う必要がある。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
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