原油は史上最高値更新か?中東エネルギー危機の3つのシナリオ=ING分析

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中東情勢の急激な悪化を受け、エネルギー市場が大きく揺れている。米国とイスラエルによるイラン攻撃と、それに対する報復攻撃によって、ペルシャ湾のエネルギー供給網に深刻な混乱が生じているためだ。

INGのコモディティ戦略責任者ウォーレン・パターソン氏は最新レポートで、ホルムズ海峡を巡る不透明感が原油・天然ガス市場の最大のリスク要因になっていると指摘した。

ホルムズ海峡混乱、最大2000万バレルが供給リスク

レポートによると、ホルムズ海峡を巡る混乱により、最大で日量2000万バレルの石油供給が影響を受ける可能性がある。

内訳は

  • 原油:約1400万バレル
  • 石油製品:約600万バレル

となっている。

この影響を受け、ブレント原油は一時1バレル=85ドルを超える水準まで上昇した。

ホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の要衝であり、市場では「供給停止の長期化」が最大の焦点となっている。

INGは「混乱の期間が市場の見通しを大きく左右する」と指摘する。

サウジ・UAEの迂回能力でも供給不足

サウジアラビアとUAEは、パイプラインを通じて最大500万バレル/日の石油を海峡を通さず輸送できる。

しかしそれでも約1500万バレル/日が依然リスクにさらされる状況だ。

また、OPECプラスは4月に予想以上の増産を決定したが、今回の供給リスクの規模を考えると市場への影響は限定的とINGはみている。

さらに問題なのは、OPECの余剰生産能力の多くがペルシャ湾地域に集中している点だ。

つまり海峡が封鎖されれば、増産能力自体が活用できない可能性がある。

米シェール増産でも即時対応は困難

米国シェール企業などが増産する可能性もあるが、INGは「短期的な解決策にはならない」とみる。

追加供給が市場に届くまでには6〜12か月かかる可能性があるためだ。

このため供給混乱が長期化した場合、各国政府による戦略備蓄の放出などの協調対応が必要になる可能性があると指摘している。

LNG市場はさらに強い上昇

天然ガス市場の動きは、原油以上に激しい。

欧州のガス指標であるTTFは最大70%上昇した。ホルムズ海峡の混乱により、世界のLNG取引の約20%がリスクにさらされているためだ。

特に影響が大きいのがカタールだ。カタールは世界第2位のLNG輸出国だが、現在は輸出がほぼ停止している。

本来、ペルシャ湾のLNGは主にアジアに向かうが、供給が途絶えたことでアジアと欧州の両地域がスポット市場で競争する状況となっている。

欧州の天然ガス貯蔵率は現在30%未満と、この時期としては非常に低い水準にある。

このまま暖房シーズンを終えれば、2022年のエネルギー危機に近い水準になる可能性がある。

その場合、夏場の在庫補充は極めて困難になる。

INGが示す「3つのシナリオ」

INGは、ホルムズ海峡を巡るエネルギー輸送について
3つのシナリオを提示している。

①ベースケース(最も可能性が高い)

  • 2週間:完全停止
  • 2週間:50%回復

合計4週間の混乱。

この場合、イランの海峡封鎖能力が米軍攻撃によって低下し、徐々に輸送が正常化すると想定している。

②中期混乱シナリオ

  • 1か月:完全停止
  • その後2か月かけて徐々に回復

このケースでは、原油価格の上昇圧力がより強くなる。

③最悪シナリオ

  • 3か月間の完全停止

この場合、

  • 原油価格:史上最高値更新の可能性
  • 欧州ガス:80〜100ユーロ/MWh

まで急騰する可能性があるという。

市場は「供給ショック」を警戒

本来、2026年の原油市場は供給過剰が予想されていた

しかしホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、市場は一転して深刻な供給ショックに直面する可能性がある。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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