金は5000ドル台を維持 地政学リスクと利下げ観測が下支え

金(XAU/USD)は、心理的節目である5000ドルを上回る水準で底堅く推移している。もっとも、上値追いの勢いは限定的で、強いトレンドが形成されているとは言い難い状況だ。


地政学リスクが安全資産需要を支える

ウクライナとロシアの3回目の米仲介協議はジュネーブで終了したが、大きな進展は見られなかった。ロシアが占拠するウクライナ東部地域の扱いを巡る溝は依然として深い。

さらに、米軍が早ければ週末にもイラン攻撃の準備を整えているとの報道もあり、市場は緊張感を維持している。トランプ大統領は最終決定を下していないものの、軍事的対立の可能性が残ることで、金への安全資産フローが継続している。


FOMC議事要旨はドルを支援、金の上値を抑制

一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した1月会合の議事要旨はタカ派色もにじむ内容となった。追加利下げの必要性と時期を巡り、政策当局者の間で見解が分かれていることが示された。

インフレが想定通り鈍化すれば利下げ余地があるとする意見がある一方で、時期尚早な緩和は2%インフレ目標を損なう恐れがあるとの慎重論も根強い。

さらに、1月の米鉱工業生産や製造業生産が予想を上回ったこともあり、FRBが当面金利を据え置くとの見方がドルを下支えしている利回りを生まない金にとっては、これが上値抑制要因となっている


今後の焦点は米経済指標とPCE

市場は今後、米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、中古住宅販売成約指数などの経済指標を注視する。また、FOMCメンバーの発言もドル相場を左右する可能性がある。

最大の焦点は金曜日に発表される米個人消費支出(PCE)価格指数である。FRBの利下げ軌道を占う重要指標であり、ドルと金の方向性を決定づける材料となりそうだ。


テクニカル分析:5000ドル攻防がカギ

テクニカル面では、金価格は100時間単純移動平均線(SMA)上で推移しており、短期的な下値は支えられている。ただし、このSMAは依然として下向きで、戻り売り圧力が完全に解消されたわけではない。

MACDはゼロ付近でシグナルラインを下回り、ヒストグラムもマイナス圏に転じている。上昇モメンタムの鈍化を示唆する形だ。一方、RSIは59と中立圏にあり、過熱感は後退している。

今後、RSIが60を明確に上抜き、MACDが再び強気転換すれば、上値追いの動きが加速する可能性がある。反対に、100時間SMAを明確に下抜ければ、調整が深まるリスクが高まる。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
金融市場・世界情勢・仮想通貨・FXに関するニュースや解説記事の作成、金融サービスの比較を行っています。
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