3月11日のアジアの株式市場は総じて上昇した。投資家は中東情勢の展開を引き続き注視しているものの、原油価格の上昇が一服したことで市場心理がやや改善した。
日本の日経平均株価は1.43%高の5万5025.37、TOPIXは0.94%高の3698.85で取引を終えた。オーストラリアのS&P/ASX200指数は0.59%上昇し8743.5となった。
韓国のKOSPIも1.4%上昇した。一方、香港のハンセン指数は0.2%下落、中国本土のCSI300指数は0.64%上昇とまちまちの動きとなった。
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原油価格の上昇一服が市場の安心感につながる
市場の焦点となっているのは中東情勢とエネルギー価格の動向だ。
週初にはイラン情勢への警戒感から原油価格が一時1バレル120ドル近くまで急騰した。しかし、各国が緊急石油備蓄の放出を検討しているとの観測が浮上し、価格は高値からやや下落した。
CNBCによれば、金融サービス企業Verventのデビッド・ジョンソンCEOは「原油ショックは実質的に経済への『税金』のようなものだ」と指摘する。
エネルギー価格が急騰すると、家計は燃料や光熱費への支出が増え、その他の消費を抑える傾向が強まる。結果として経済全体の需要が弱まり、景気減速の要因となるという。
原油価格の上昇が一服したことは、こうした景気への下押し懸念をやや和らげる要因となった。
日経平均は776円高、AI関連株が相場を押し上げ
東京株式市場では日経平均株価が続伸し、前日比776.98円高(1.43%)の5万5025.37円で取引を終えた。節目の5万5000円台を回復するのは3営業日ぶりとなる。
Nikkeiによれば、上昇の背景には、米ソフトウエア大手オラクルの好決算がある。AI関連のクラウド需要の強さが確認されたことで、同社とAIインフラ計画「スターゲート」で協力関係にあるソフトバンクグループなどのハイテク株に買いが入った。
また、アドバンテストやフジクラなど半導体関連株にも買いが波及し、これら3銘柄だけで日経平均を約474円押し上げたという。
ハイテク株への資金流入はアジア市場全体にも広がった。
台湾の加権指数や韓国のKOSPIなど、ハイテク企業の比率が高い指数が上昇し、日本株の追い風となった。
また、石油備蓄の放出観測を受けて原油価格が下落基調となり、インフレ懸念がやや和らいだことも株式市場の支えとなった。
中東情勢の不透明感は依然としてリスク
もっとも、地政学リスクが完全に後退したわけではない。
イランが影響力を持つホルムズ海峡は事実上封鎖された状態が続いており、エネルギー供給を巡る不透明感は依然として残っている。
Nikkeiによれば、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、中東の軍事衝突が収束しない限り、日本株の上値は重い可能性があると指摘する。
「情勢が落ち着かない限り、日経平均が5万8000円台を回復するのは難しい」という。
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