3月25日のアジア株式市場は全面高となった。トランプ大統領が「米国とイランは現在交渉中だ」と発言したことを受け、地政学リスクの後退期待が一気に広がった。
日経平均は53,749円(+2.87%)と大幅上昇し、TOPIXも+2.57%と続伸。中国・韓国株も強く、上海総合+3.11%、KOSDAQ+3.40%とリスクオンが鮮明となった。
上昇の引き金は「停戦期待」
CNBCによると、トランプ大統領は3月24日、「イランと交渉中だ」と発言し、エネルギーインフラ攻撃のトーンを後退させた。
この発言により、
- 原油価格の上昇圧力が緩和
- インフレ懸念の後退
- 利上げ観測の弱まり
という連鎖が意識され、株式市場に資金が流入した。
なぜアジア株はここまで強いのか
今回の特徴は「広範囲な上昇」だ。
- 日本:日経+2.87%
- 中国:上海総合+3.11%
- 韓国:KOSDAQ+3.40%
特に中国・韓国の上昇が目立つ。これは「ハイベータ資産への資金回帰」、つまりリスクを取りに行く動きが強まったことを示している。
ただし前提は極めて脆い
問題は、この上昇の前提が「不確かな情報」に依存している点だ。
同じCNBC報道でも、テヘランは米国との直接交渉を否定している。
つまり市場は、
👉「交渉が進む」という前提で上昇
👉 しかし当事者はそれを否定
というねじれた状態にある。
原油とインフレが再び焦点に
この相場を左右する鍵は引き続き原油だ。
ホルムズ海峡の混乱により、世界の石油供給の約20%が影響を受ける状況が続いている。
仮に交渉が失敗すれば、
- 原油再上昇
- インフレ再加速
- 金利上昇
- 株安
という逆回転が起きる可能性がある。
日本株固有の要因:日銀と春闘
日本株にはもう一つの要因がある。
- 春闘賃上げ:+5.26%(高水準)
- 日銀:利上げ継続姿勢
INGは「インフレ減速は一時的であり、利上げサイクルは維持される」と分析している(ING, 2026年3月24日)。
これは本来、株式市場には逆風となり得る要因だ。
まだ「安心相場」ではない?
今回の上昇は明確だ。
👉 停戦期待によるリスクオン
しかしその前提はまだ成立していない。
👉 交渉は未確定
👉 原油は不安定
👉 インフレリスクは残存
つまりこれは「トレンド転換」ではなく、
ニュース主導の一時的なリスクオンの可能性が高い。
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