【地政学ニュース】「日本は圧勝、英国は漂流」――ゼロヘッジが描く対照的な島国の現在

ゼロヘッジによれば、世界の両端に位置する米国の「島国の同盟国」である日本と英国の状況は、これ以上ないほど対照的だ。

日本では、保守的で現実主義的な政策を掲げる高市早苗首相が衆議院で3分の2の圧倒的多数を獲得した。自民党は第二次世界大戦後で最大級の議席割合を確保し、これは単なる選挙勝利にとどまらず、高市氏の経済政策と対中強硬姿勢に対する国民の明確な信任を意味する。

中国側は高市氏を「邪悪な魔女」と罵り、大阪の中国総領事は台湾有事に日本が支援する可能性に言及したことに対し、「汚い首を切ってやる」とまで発言した。しかし、こうした威嚇的な言辞は高市氏をひるませることはなく、結果として日本の有権者も動揺しなかったとゼロヘッジは論じている。

一方で、中国は英国に対して屈辱を与えているとゼロヘッジは指摘する。かつて英国の植民地だった香港では、実業家で言論の自由を訴えてきたジミー・ライ氏が20年の実刑判決を受けた。78歳で英国市民権を持つ同氏が事実上獄死する可能性が高いにもかかわらず、中国は英政府の強い反発を恐れていないとされる。

英国政府は直近、ロンドン中心部の旧王立造幣局跡地に中国の「メガ大使館」を建設する計画を承認した。CNNの報道によれば、習近平国家主席はこの案件に個人的関心を寄せ、2024年に就任したキア・スターマー首相との最初の電話会談でも取り上げたという。

さらにスターマー首相は、インド洋の英国領チャゴス諸島をモーリシャスへ引き渡す方針を推進している。これは単なる「脱植民地化」ではなく、現地住民の支持も得ていないとされる。最大の島ディエゴ・ガルシアには米英共同の軍事基地が存在しており、地政学的影響は英国のみならず米国にも及ぶ。トランプ米大統領はこの合意に不満を示しているが、スターマー氏は手続きを進めているという。

ゼロヘッジは、スターマー氏を国益よりも国際司法裁判所の勧告を優先する「グローバリスト」と位置付ける。2024年の総選挙で労働党は大勝したが、それは支持というよりも、14年間の保守党政権への反発の結果だったと分析する。

しかし、労働党政権はその後の政権運営で支持を固める機会を逸した。スターマー氏は西側諸国で最も不人気な指導者の一人となり、不支持率は70%を超えることもある。さらに、駐米大使に任命したピーター・マンデルソン氏がエプスタイン関連文書で名前を取り沙汰され、辞任に追い込まれたことも逆風となっている。

スコットランド議会の労働党指導者アナス・サーワル氏が辞任を求めるなど、党内外から圧力が高まっているが、議会内の支持により現時点では持ちこたえている。しかし、2029年8月の次回総選挙まで政権が続けば、英国の苦境はさらに深まるとゼロヘッジは警告する。

対照的に、日本では高市首相が就任からわずか3カ月で解散総選挙に踏み切るというリスクを取り、結果として信任を強化した。英国では早期選挙を行えばナイジェル・ファラージ氏率いるリフォームUKが勝利する可能性が高いと見られており、労働党はそれを回避している。

ゼロヘッジは、各国が自国の利益を強く追求する時代において、国民の支持を失ったままの政権下にある英国の状況は深刻だと結論づけている。日本の選択は、国益と主権を前面に押し出すリーダーシップへの信任であり、それが英国への一つの教訓になると論じている。

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ホッホ博士
マネー比較ラボ編集部
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