WTI原油価格は1バレル約65.70ドルまで上昇し、前日の上昇分を受けて引き続き堅調な動きを見せている。これは、米国とイランの緊張激化を受けた供給不安が市場を押し上げているためだ。
米国とイランの核交渉は進展が限定的で、両国が軍事的な動きを強める中でリスクプレミアムが価格に織り込まれている。特に石油の主要輸送路であるホルムズ海峡を巡る緊張は、世界の原油供給の約20%を担う流通に影響を及ぼす可能性があるとして、アナリストの間で懸念が広がっている。
イラン側は米国との枠組み合意に関して「一般的な合意」の存在を主張しているものの、米側はイランが設定したレッドラインを満たしていないとし、トランプ大統領も軍事行動を選択肢として排除していない。これにより、武力衝突が供給面でリスクを高めるとの見方が続いている。
需給面では、米国の精製企業フィリップス66やシトゴ・ペトロリアムがベネズエラ国営石油会社PDVSAから重質原油を直接調達する動きを進めており、米国内の原油調達構造の変化にも注目が集まっている。これらの動きは、輸入元の多様化を図る一方で、供給不安が高まる中でのマージン改善策とも見られている。
インドでも国営バーラト石油やHPCLミッタルエナジーがベネズエラ産原油の輸入を再開するなど、新興国側の調達動向が活発化している。こうした原油市場の裏側では、地政学リスクや供給連鎖の変化が価格形成に強く影響している状況だ。
WTI原油価格はここ数日で上昇基調を強めており、中東情勢次第ではさらに上値を試す可能性もあると市場関係者は見ている。今後の交渉や軍事リスクの動向が原油市場の主要な注目点となりそうだ。

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